放浪の向こう側 Another World

海外放浪記/洋楽翻訳/個人コラム

さくらももこさんの訃報を知って

さくらももこさんが乳がんのため死去”という速報のテロップを見て

一瞬固まってしまった、信じられなかった。

 

最近エッセイの新刊がでないなぁと、数年前から気になっていたが

まさか7年前から闘病生活を送られていたとは…

 

私が小学校1年生の時に、叔父が「ちびまる子ちゃん」を買ってくれた。

これが私が手にした初めての漫画だった。

それから20年以上が経った今でも私の手元に残っている

私の人生において、一番長く時間を共にしてきた本たちと言える。

 

幸せって、たぶんこうゆうもんなんだろうなぁというエッセンスがつまっていて

読者を温かい気持ちにさせてくれる。

私にとって、人生のバイブルといっても過言ではない。

 

エッセイもまた卓越していて、鋭い観察眼によって切り取られた日常が

シュールな笑いとともにたんたんと綴られている

小難しい内容ではなく、文体はシンプルなのだが、

あの独特な世界観は、やはり唯一無二のものである。

 

実家に戻るたびに、まず漫画の「ちびまる子ちゃん」を、そしてエッセイを

何度も読み返していた。

 

しばらく時間が経って、また思い出したように手に取って読みたくなる。

その懐かしい風景に帰りたくなる。

 

漫画とエッセイ界の故郷を創ってくれた、さくらももこ先生。

本当にありがとうございました。

 心より、ご冥福をお祈り申し上げます。