放浪の向こう側 Another World

海外放浪記/洋楽翻訳/個人コラム

2018-01-01から1年間の記事一覧

さくらももこさんのエッセイに綴られた数々の名言

53歳という若さで亡くなられた、作家のさくらももこさんご逝去の報道があってから、ネット上には漫画「コジコジ」の言葉が哲学的だといって取り上げられている。 小学生の頃から20年以上、さくらももこ先生の漫画やエッセイを読んできた私は、「コジコジ」だ…

静寂を聴くということ The Sound of Silence - Simon & Garfunkel - 洋楽の和訳

この曲の和訳は冬まで待とうと思っていた。 サイモン&ガーファンクルといえば、冬だ。 木枯らしの中、石畳の路地裏をコートの襟を立てて歩く冬の散歩道。 でも見つけてしまったんだ。 素晴らしいカバーを。だから季節を前倒しで和訳することにした。 シアト…

さくらももこさんの訃報を知って

“さくらももこさんが乳がんのため死去”という速報のテロップを見て 一瞬固まってしまった、信じられなかった。 最近エッセイの新刊がでないなぁと、数年前から気になっていたが まさか7年前から闘病生活を送られていたとは… 私が小学校1年生の時に、叔父が「…

夏の終わりに想うこと、あの日の旅路

窓の外、夕焼けが綺麗だった。 夏の夕焼けはどこか薄ぼんやりしていて、 淡いようでいて、鮮明な色彩のグラデーション。 まるで遠い日の思い出みたいだな、とふと思った。 もう頭の中では薄れかけているのだけれど、 心の中では今も鮮やかに息づいている。 …

洋楽の和訳 Shape of My Heart - Sting - 本当の心のカタチ

なんだろう、梅雨のこのすっきりしない天気。 気圧と湿気が徒党を組んで、神経細胞を攻撃しているとしか思えないような モヤモヤした頭。 そんな時は、決まって哀愁漂う洋楽が聴きたくなる。 そうして選んだのが、言わずと知れた大御所スティング先生の 1993…

浜ゆでにされた占いタコのラビオ君 私達は喜ばしくない真実より心地良い嘘を求めるものなのか

今日私はまた、あの奇跡の洋食屋さんにいた。 開店と同時に入店し、まだ他の客が誰もいないお店には レトロなラジオからニュースが流れており ランチを食べながらぼんやりと聞いていた。 W杯の勝敗を占うタコとして、一躍有名になったタコのラビオ君。 生け…

洋楽の和訳 カバーが原曲を越えてる Hallelujah  ージェフ・バックリィ―

原曲はレナード・コーエンが1984年にリリース。 ジェフ・バックリィーのカバーは1994年に発表され、彼の唯一のコンプリートアルバム「Grace」の中に収録されている。 しかし、その3年後、彼は30歳という若さでこの世を去った。 彼の死からしばらくの年月が流…

オススメの映画サントラCD選んでみた

映画のサントラが好きだ。 その音楽に惹かれてというより、その映画の世界観がまるごと好きな場合が最も多い。 最近は久しくCDを買わなくなってしまったが、過去に買ったサントラで「何年経ってもこれはいい!」というものを、主観で選んでみた。 選考基準…

オーストラリア初めてのOutback 赤土のオフロードへ

前回からの続き ジンベイザメと泳ぐ旅で出会った台湾人。 彼らの次の目的地は私がぼんやりと願っていた場所カリジニ国立公園だった。 ここから初めてのOutbackの旅が始まる。道中はこれぞまさしくオーストラリアの砂漠といった、地球の果てのような乾いた赤…

オーストラリア ジンベイザメと泳ぐ旅

それはシドニーのシティでくすぶっていた時のこと。 ふと手帳を開くと、オーストラリアでやりたいことリストに 「ジンベイザメと泳ぐ」という走り書きを目にする。 自分では書いたことをすっかり忘れていたが、 その時、直感で「よし、ここに行こう!」と決…

洋楽の和訳 Perfect Day - Lou Leed - 美しい陰鬱ロック

Lou Leed ルー・リード (1942-2013) アメリカニューヨーク州ブルックリン出身のミュージシャン。 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのボーカル兼ギタリスト。その後1970年に脱退してからはソロ活動を行う。 前衛性とポップさを兼ね備えた斬新かつ挑戦的な…

奇跡の洋食屋さん 

そのお店は、駅に隣接した店舗で3階にある。 店舗というか、実は百貨店でありながらも 3階にはこの洋食屋さんのみで、他のテナントは随分前に撤退してしまったようだ。 ガランとしたスペースの奥に、こじんまりと構えているこのお店。 懐かしの食品サンプル…

アシュタンガヨガとの出会い

アシュタンガヨガ始めました。 昔、南インドを旅した時に撮った写真 この時はまだ南インドにアシュタンガヨガの聖地があるとは全く知らなかった アシュタンガヨガとは、 シュリ・K・パタビジョイス(1915~2009)によって構築された、 流れの中で動作と呼吸を…

ブランキージェットシティをこよなく愛していた15歳の自分が、三十路手前になった自分を導いた話

「僕の心を取り戻すために」会社を辞めた Blankey Jet City 僕の心を取り戻すために 大学を卒業後、英語を使った仕事をしたいという漠然とした動機で 地元企業に就職した。 将来のビジョンなんて、とくに持ち合わせていなかった。 アメリカ留学から帰国した…

ヨガ 本当の目覚め

ヨガと初めて出会ったのは、もう10年近く前のことだ。 OLになって間もない頃、アフターファイブの習い事の代名詞とも言える ヨガ教室に通い始めた。 その当時からホットヨガ、岩盤ヨガなど、エクササイズ感覚のヨガが OL界では人気の習い事だった。 好奇心旺…

Spontaneousに生きる  開かれた世界で 旅人同士の人間関係

DarwinのMindi beachにて オランダ・アメリカ・オーストリアからの旅人たちと 私の好きな英語の単語で、spontaneous (スポンティニアス)という言葉がある。 外側からの強制的な力が加わっていない、自然発生的なという意味なのだが 心おもむくまま流れるよ…

洋楽翻訳 Good Riddance (Time of Your Life) -Green Day-

Green Day のGood Riddance (Time of Your Life) しみじみと噛みしめるたび元気が出てくる。 良い意味で万人受けする曲だと思います。 さくっと翻訳しました。 Another turning point, a fork stuck in the road 新しい折り返し地点に来たとき、道の真ん中に…

オーストラリアで偶然辿り着いた宿が元刑務所だった件

オーストラリアの主要都市、メルボルンンとアデレードのちょうど中間地点に マウント・ガンビアという町がある。 ここでの見所はブルーレイクという、その名の通り青い湖だ。 これがまたシンプルな名前から想像する以上の鮮やかさで 目の覚めるような、空よ…

より詩的な洋楽の和訳 「The Rose」Bette Midler  

言わずと知れた、ベット・ミドラーの名曲「The Rose」です。 初めてこの曲を聞いた時の感動を表現するために より詩的に和訳してみました。 Some say love, it is a river, that drowns the tender reed ある人はこう言うだろう 愛とは、か弱い葦(あし)のよ…

オーストラリアでエビ漁船に乗った話 現代版フォレスト・ガンプの世界

それは私がワーホリでオーストラリアに来て、3ヶ月程経った時のことである。 ラウンドに出発してまもない頃に体験した仕事だ。 (ここで言うラウンドとは、一か所に留まらずオーストラリア全土を旅するという意味) 舞台は偶然降り立った、カナーボンという小…

海外逃避の効能 その内省性~やや抽象的な考察~

振り返れば、今から約4年前ー。 漠然とした人生に対する憤り感により、それまで勤めていた会社を辞めた。 生活を一変させるための冒険ということで、目的地はオーストラリアだ。 働きながら海外を放浪できるという夢のようなワーキングホリデー(ワーホリ)…

はじめましてのプロローグ

土埃舞うオフロード 西オーストラリアにて、国立公園に向かう途中 社会の枠組みから外れること早4年。 その間、ワーキングホリデーという名の海外放浪を3年。 向かった先は南半球、オーストラリアとニュージーランド。 そこで見たものは、シンプルで風通し…